1. 韓国タクシーの基本情報
韓国は公共交通機関が発達していますが、タクシーも利便性が高く、観光やビジネスでの移動に便利な手段の一つです。ここでは、韓国のタクシーの種類や見分け方など、旅行者が知っておくべき基本情報をまとめます。

1-1. 韓国のタクシーの種類とは?
韓国のタクシーは主に以下の4種類に分かれます。
- 一般タクシー:街中で最も多く見かける白・銀・オレンジ色のタクシー。料金が安めで気軽に利用可能。
- 模範(モボム)タクシー:黒色の車体に黄色い表示灯が特徴。運転手の接客態度がよく、車両も高級セダンで快適。料金は高め。
- インターナショナルタクシー:外国語が話せる運転手が対応。英語・中国語・日本語対応車両があり、特に観光客向け。
- 大型タクシー(ジャンボタクシー):バン型の車両で、6人以上のグループ旅行や空港送迎に便利。予約が必要な場合もあります。
用途や人数、予算に合わせて選べるのが韓国タクシーの特徴です。
1-2. 模範タクシーと一般タクシーの違い
模範タクシー(モボムタクシー)と一般タクシーには、以下のような明確な違いがあります。
比較項目 | 一般タクシー | 模範タクシー |
---|---|---|
車体の色 | オレンジ・白・銀など | 黒色 |
運転手の制服 | カジュアルな装いも多い | スーツまたは制服着用 |
接客態度 | 個人差がある | 接客研修を受けたプロドライバー |
料金 | 安価(標準料金) | 一般タクシーの約1.5倍程度 |
「多少高くても安心して乗りたい」「韓国語が不安」という人には、模範タクシーの利用がおすすめです。
1-3. ソウル市内のタクシーの色と空車サイン
ソウルではタクシーの「色」である程度の情報が判断できます。
- オレンジ色:ソウル市内の一般的な法人タクシー
- 白・銀色:個人タクシーや他地域の車両もあり
- 黒色(模範):上記のとおり、模範タクシー専用色
空車のサインは前方ガラスの「붐(プム/空車)」という表示や、ルーフライトの点灯で判断します。英語表示がない場合もありますが、「空車」表示が赤く光っていれば乗車可能のサインです。
2. 韓国タクシーの料金体系
韓国のタクシーは料金が比較的リーズナブルで、短距離移動に非常に便利です。ただし時間帯や距離、車種によって料金が異なるため、基本的な仕組みを理解しておくと安心です。

2-1. 初乗り料金とメーターの使い方
タクシーの料金は距離+時間で自動的にメーターに表示されます。主な都市での初乗り料金の目安は以下の通りです(2025年時点の一般的な情報)。
- 一般タクシー(ソウル市内)
初乗り:4,800ウォン(約540円)/1.6kmまで
以降:距離に応じて加算(100mごとに約100ウォン) - 模範タクシー
初乗り:6,500ウォン(約730円)/3kmまで
以降:やや割高の加算料金
乗車中は、ダッシュボードに表示されるメーターを確認することで、料金がリアルタイムで分かります。
2-2. 追加料金が発生する条件と注意点
以下のような条件下では、追加料金が発生します。
- 高速道路・有料道路使用時:料金は乗客負担で、メーターとは別に請求される
- 空港からの利用:空港利用料や通行料が加算されるケースあり
- 大型タクシー・インターナショナルタクシー:料金体系が別。事前に確認を
- 電話またはアプリによる予約:数百ウォン〜1,000ウォン程度の呼び出し料が加算
メーターに表示される料金以外にも追加請求がある場合は、必ず領収書(영수증)をもらうようにしましょう。
2-3. 深夜・早朝のタクシー料金の目安
韓国では深夜時間帯に割増料金が加算される都市が多く、特に観光客にとっては注意が必要です。
- ソウルの場合(夜10時〜翌朝4時頃)
追加料金:通常料金の20〜40%程度アップ(時間帯により異なる) - 地方都市:深夜割増の有無や比率が異なるため、地域に応じて確認が必要
深夜時間帯はタクシー需要も高まり、乗車拒否に遭うケースもあるため、アプリ予約や模範タクシーの活用が効果的です。
補足:2025年現在、韓国では外国人旅行者向けに翻訳アプリと連動した配車サービス(カカオTやUTなど)も充実しています。言葉に不安がある場合は、これらのアプリを活用するのも良い選択肢です。
3. 韓国タクシーの利用方法
韓国旅行中、タクシーを快適に利用するには「アプリの活用」「予約方法の理解」「日本人向けの便利な選択肢」を知っておくことが重要です。
3-1. 韓国タクシーアプリの使い方(カカオT、Uberなど)
韓国ではタクシー配車アプリの利用が一般的で、以下の2つが特に人気です。
- カカオT(Kakao T)
韓国で最も使われている配車アプリ。地図から乗車地点と目的地を設定し、簡単に予約可能。
【特徴】
- 韓国語・英語に対応
- クレジットカード事前登録でキャッシュレス決済OK
- 通常タクシー・模範・ジャンボ・ペットタクシーなど選択肢が豊富 - Uber(ウーバー)
韓国でも利用可能だが、主に高級車両(Uber Black)中心。やや高額なため、観光では特別なシーンにおすすめ。
どちらも事前登録とアプリのインストールが必要です。旅行前に準備しておくと安心です。
3-2. タクシーの予約方法と流しの利用
韓国では以下の2通りの方法でタクシーを利用できます。
- アプリ予約(配車):
- カカオT、UT(Uber提携)などのアプリから配車
- 指定時間予約や即時配車も可能
- 地図上でタクシーの位置がリアルタイムでわかる - 流しのタクシーを捕まえる:
- 街中で空車サイン(붐)を確認して手を挙げて停車
- ソウル中心部や駅周辺では捕まえやすいが、雨天・深夜などは競争率が高くなる
混雑時や言葉に不安がある場合は、アプリを使った配車がより安全・確実です。
3-3. 日本人におすすめのタクシー配車方法
日本人旅行者にとって特に便利なタクシー配車方法は以下の通りです。
- カカオTアプリの「英語モード」:日本語未対応ですが、英語UIで直感的に操作可能。目的地はGoogle Mapからコピー&ペーストも可。
- UTアプリ(Uberとの提携サービス):一部日本語対応で、クレジットカード決済も日本発行カードでOK。
- ホテルのフロントを通じて手配:韓国語が話せない場合、ホテルスタッフが模範タクシーを手配してくれる。
アプリで事前に決済すれば、現地通貨のやりとりやチップの心配も不要。旅行初心者ほどアプリ活用が快適です。
4. 韓国タクシーを利用する際のトラブル
海外でのタクシー利用にはトラブルのリスクがつきものです。韓国でも以下のようなケースに注意し、適切な対応を知っておきましょう。
4-1. 乗車拒否に遭った際の対処法
韓国では、短距離移動や目的地が気に入らない場合に乗車拒否されることがあります。特に夜間や繁忙期に多発します。
【対処法】
- アプリ配車を使えば乗車拒否のリスクを回避可能
- ホテルや観光施設から呼んでもらうと乗車しやすい
- 断られたら無理に交渉せず、次のタクシーを探すのが得策
乗車拒否は違法ですが、外国人が抗議しても受け入れられにくいため、回避が基本です。
4-2. ぼったくりタクシーに遭わないためのポイント
ぼったくりタクシー(メーター不使用・遠回り・不当請求など)はごく一部ですが、以下の対策で回避可能です。
【注意すべきポイント】
- 必ずメーターが動いているか確認
- 空港や観光地で声をかけてくる白タク(非正規)には乗らない
- 車体に「TAXI」の表示があり、運転席に運転手証明があるか確認
【おすすめ対策】
- 模範タクシー、または配車アプリで事前予約
- トラブル発生時は「영수증 주세요(領収書ください)」と伝える
- 緊急時は観光警察「1330」へ英語・日本語で相談可能
4-3. 運転手とのコミュニケーション(言語面)
韓国のタクシー運転手は基本的に韓国語のみ。英語・日本語はほとんど通じないため、以下の工夫が役立ちます。
【対策】
- 行き先の住所をハングルでメモして見せる
- Google MapやNAVER Mapの画面を直接見せる
- 配車アプリで目的地を設定すれば言葉は不要
翻訳アプリを使った簡単なやり取りも有効ですが、地名やホテル名はハングル表記での提示が最も確実です。
5. 空港送迎について
韓国の空港から市内までの移動では、タクシーは便利な選択肢です。ここでは仁川・金浦両空港での活用方法と、出発前に準備しておくべきことを解説します。

5-1. 仁川空港から市内へ移動する方法
仁川国際空港からソウル市内までは約50~60分。主なタクシー利用方法は以下の通りです。
- タクシー乗り場は1階の到着フロアに複数
(一般/模範/国際/大型それぞれの専用レーンあり) - 料金目安(ソウル中心部まで)
- 一般タクシー:約60,000ウォン(高速代別)
- 模範タクシー:約85,000ウォン前後
- 大型タクシー:約100,000ウォン前後(荷物や人数により) - **高速道路利用料(約7,000ウォン)**は別途支払い
空港内の「タクシー案内デスク」で希望の車種を伝えると手配してもらえます。
5-2. 金浦空港のタクシー利用ガイド
金浦空港はソウル市内から近く、アクセスが便利。タクシーでの所要時間は約30分。
- 乗り場は国際線ターミナルの外にある標識を確認
- 料金目安:ソウル中心部まで約20,000〜30,000ウォン(高速代なしでも可)
- 仁川空港より安く、距離も短いため、初めての旅行者でも安心
早朝や深夜到着の場合も、空港にタクシーは常駐しています。
5-3. 旅行前に知っておくべき登録方法
アプリ利用や支払いをスムーズにするため、出発前に以下を済ませておくのがおすすめです。
- カカオTやUTアプリのインストールと初期設定
- クレジットカード登録(VISA/Master/AMEX推奨)
- 韓国SIMかWi-Fiが必要(オフラインでは配車不可) - 目的地のハングル住所を控える or スクリーンショット保存
- 言語設定の確認:カカオTは英語対応、UTは日本語可能(地域による)
これらを準備しておけば、韓国到着後すぐにスムーズなタクシー移動が可能です。
6: 韓国旅行中の便利な移動手段
6-1: 地下鉄やバスとタクシーの使い分け
韓国は公共交通機関が発達しており、地下鉄やバスは料金が安く、観光客にとっても非常に利用しやすい手段です。一方、タクシーは目的地までの直行が可能なため、荷物が多い場合や深夜の移動に便利です。
- 地下鉄:明確な路線図があり、都市間の移動に最適
- バス:細かな地域まで網羅しており、地元の雰囲気も味わえる
- タクシー:移動の自由度が高く、複数人での移動にもコストパフォーマンスが良好
目的や時間帯によって、最適な移動手段を選ぶことが、スムーズな旅行のコツです。
6-2: 観光地周辺のタクシー乗り場案内
ソウルや釜山などの主要観光地には、公式に整備されたタクシー乗り場が設けられています。混雑時でも比較的スムーズにタクシーを捕まえることができ、トラブルを避けるうえでも安心です。
例:
- 明洞:地下鉄4号線 明洞駅6番出口付近
- 弘大(ホンデ):弘大入口駅1番出口付近
- 仁寺洞:安国駅付近のメイン通り沿い
不慣れな場所では、観光案内所やホテルスタッフに乗り場の場所を尋ねるのも効果的です。
6-3: タクシーを利用するメリットとデメリット
メリット:
- ドアツードアで快適
- 時間の節約
- 観光地を効率よく巡れる
デメリット:
- 渋滞による遅延の可能性
- 言語の壁による誤解
- 一部に悪質な運転手が存在する可能性
旅行のスタイルに応じて、臨機応変に選ぶのがポイントです。
7: 言語サポートと安心のための準備
7-1: 韓国語・英語での基本フレーズ集
言葉の壁を乗り越えるために、簡単な韓国語・英語のフレーズを覚えておくと安心です。
- 「〇〇へ行ってください」:〇〇에 가주세요(〇〇エ カジュセヨ)
- 「カードで払えますか?」:카드 되나요?(カードゥ トェナヨ?)
- 「領収書をください」:영수증 주세요(ヨンスジュン ジュセヨ)
英語が通じる運転手も増えていますが、上記のフレーズをスマホに保存しておくと、万が一のときにも役立ちます。
7-2: 事前にアカウント登録しておくメリット
カカオTやUberなどの配車アプリは、事前にアカウントを作成し、クレジットカード情報を登録しておくことで、現地での操作が格段にスムーズになります。日本国内でアプリ設定を済ませておくことで、通信環境の不安や操作ミスを減らせるため、初心者にもおすすめです。
7-3: 現地でのドライバーとの良好な関係を築くために
運転手とのコミュニケーションでは、礼儀正しさと笑顔が大切です。言語が通じなくても、「ありがとう(감사합니다)」の一言や、ジェスチャーを交えた対応が好印象を与えます。また、過度な値段交渉や失礼な態度はトラブルのもとになるため、配慮を忘れないようにしましょう。
8: 日本との違いと文化的背景
8-1: 日本と韓国のタクシー文化の違い
日本では「おもてなし精神」が強く、ドアの自動開閉や礼儀正しい接客が一般的ですが、韓国では実用性を重視したスタイルが多く見られます。
- ドアは手動が基本(自分で開閉)
- チップは不要(ただし感謝の気持ちで小銭を渡す人も)
- 地元住民も配車アプリを頻繁に利用
日本と同じ感覚で利用すると戸惑うこともあるため、違いを事前に理解しておくとスムーズです。
8-2: 旅行者が知っておくべき韓国独自のルール
- 前方座席に座る場合もある:一人利用の場合、助手席に座るよう促されることがあります。
- 高速道路料金は乗客負担:目的地により追加料金が発生するケースがあります。
- 深夜料金:通常より20%前後割増になることがあります(22時以降〜翌朝4時)
このようなルールを理解しておくと、不意のトラブルを避けることができます。
8-3: 安心して乗車するための心構え
韓国のタクシーは基本的に安全ですが、以下の点を意識しておくとさらに安心です。
- 乗車前にアプリでドライバー情報を確認
- 不安な場合は同乗者と一緒に乗車
- 万が一のトラブル時に備え、領収書を必ずもらう
旅行中の安全を守る第一歩は、自分自身の心構えにあります。
9: まとめ:韓国タクシーを賢く利用しよう
9-1: 旅行を快適にするためのコツ
韓国旅行中にタクシーを快適に利用するためには、「アプリの活用」「現地文化の理解」「事前準備」の3点が重要です。状況に応じて地下鉄やバスと併用することで、ストレスの少ない移動が実現できます。
9-2: 韓国タクシー利用時のチェックリスト
- カカオTやUberのアプリは事前にインストール
- 韓国語の住所や目的地は紙に書いておく
- ドライバー情報とナンバープレートを確認
- 乗車時は安全のため後部座席を選ぶ
- 領収書は必ず受け取る
このチェックリストを参考にすれば、初めてでも安心してタクシーを利用できます。